100m走の足を速くする筋トレとは? #98
「グランドで走りこんでいるけど、タイムが縮まらない…」
「走る時の姿勢のようにハーフスクワットをすれば足が速くなるの?」
今回はそのような悩みをお持ちの方への内容となります。
①足を速くするために必要な要素は?
1、全身の筋力・スピード 2、全身の連動性 3、強い体幹 |
他にも足を速くするために必要なことは色々あると思いますが、筋トレでは主にこれらのことを強くすることができます。
一つ一つ説明していきたいと思います。
1、全身の筋力・スピード
「全身の」というのが1つ目のキーワードです。
「上半身の筋トレをすると体が重くなって足が遅くなる」という恐れから上半身の筋トレをしない方もいますが、速い方の腕の振りはとても力強いですし、筋力も高い方が多いです。
腕を後ろで組んで走ったら速く走れないということはイメージできるかと思います。
ですので下半身だけでなく、上半身の筋トレも行い、身体全体的に筋力を高めることが必要です。
(もちろん、基本的な割合としては下半身の筋力アップの方が多めにはなると思います。)
・ベンチプレス→腕を振る筋力
・ベントオーバーローイング→腕を引く筋力
このようなイメージで筋トレをすれば上半身の筋トレも陸上に繋がりやすくなると思います。
アームカールなどの部位ごとの筋トレはその方の必要に応じて取り入れてみてください。
次は下半身の筋トレについてです。
・スクワット➝地面をける筋力
・デッドリフト➝股関節の筋力
メインとなるこの2つの筋トレは、走るための筋力を一番効果的に鍛えてくれます。
ここで度々話題になるのが「スクワットの深さはどこまで下げればいいの?」という問題です。
フルスクワットか、ハーフスクワットかという問題ですが、これは
両方とも行った方がいいです。
なぜなら、
・フルスクワット➝下半身全体の筋力を高められる
・ハーフスクワット➝走る時の関節の角度に近い動きの筋力を高められる
という効果の違いがあるからです。
フルスクワットありきのハーフスクワット、ということです。
逆にフルスクワットを行わないで、ハーフスクワットだけを行っている方は、足は速くなりにくいです。
なぜなら、ハーフスクワットの効果を出すための下半身の筋力や筋肉量が鍛えられていないからです。
ハーフスクワットはどんどん重い重量を扱えるようになるので一見すごく筋トレをできているように感じてしまいがちですが、そのハーフスクワットの効果を出すための準備をフルスクワットで行う必要があるのです。
またフルスクワットを行うことでデッドリフトにも好影響が現れやすくなります。
・デッドリフトの引き初めの地面を足で押す筋力を高められる
・股関節の柔軟性をフルスクワットで高められるので、デッドリフトの腰の丸まりなどを予防できる
デッドリフトは筋力やスピードの源である股関節周り・お尻周りをメインに強くできますので、スプリンターにとって有益な筋トレです。
順番として、
①フルスクワットを高重量でできるように頑張る➝②デッドリフト・ハーフスクワットを高重量でできるように頑張る
という順番のイメージで行うことをお勧めします。
↑フルスクワットをできない方はまずはゴブレットスクワットなどで股関節を柔らかくしてからチャレンジしましょう
2、全身の連動性
速く走るためには、全身が適切に力やスピードを発揮しなければなりません。
そのためには筋トレも全身で力やスピードを発揮するメニューをメインに選ぶ必要があります。
スクワットやデッドリフト、ベンチプレスといったいわゆるビッグ3と言われるメニューですね。
懸垂やショルダープレス、ベントオーバーローイングやシングルレッグスクワット系なども必要に応じて組み込んでもいいでしょう。
大切なことは「スピード」を鍛えることです。
「スピード」を意識してバーベルを動かすことで、筋力も高まりやすくなります。
「スピード」を意識して筋トレに励んでいきましょう。
3、強い体幹
「体幹トレーニングはたくさんやっている」という方は多いんではないかと思います。
その体幹トレーニングが「持久力」を鍛えているのか、「筋力」を鍛えているのか、ということが重要になります。
足を速くするために必要なのは「筋力」の方になります。
筋力を鍛えるためには、重量の負荷が必要になります。
例えば「腹筋運動を1分間行う」では持久力寄りになってしまうので、時間を短くして重量を重くして行う腹筋運動を行う、というようなイメージです。
そうすると、スクワットやデッドリフトなどは純粋な腹筋運動では扱うことのできない高重量の負荷を体幹にも与えることができるので、体幹の筋力を高めるためにはとても有益な筋トレになります。
その他の腹筋運動は必要ないという方もいますが、そこは人それぞれの身体の特徴がありますのでその時々によって腹筋運動のメニューを組み込んでいきましょう。
以前柔道部のお客さんは80Kg分のプレートを背中に載せてプランクをしていました。
100m選手に必要か不必要化は正直わかりませんが、そのようなイメージで重量を高めていきましょう!
↑この背部にプレートを載せる感じです
足を速くするためには、筋トレで伸びしろを伸ばすことが重要です。
その筋トレをする際に、足を速くするための筋トレプログラムなのか、ボディメイク用のプログラムなのか、間違えないように年間計画を立ててくださいね。
きつくて効果がでない筋トレが1番辛いですので。
次回もお楽しみに~!
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