#16 水泳選手が筋力トレーニングが必要な理由?

最近有名な水泳選手の方が筋力トレーニングをたくさんやっている、という記事を読みました。

世界水泳などを見ていて選手の皆さん身体がとても大きいこと、泳いでいる姿に力強さがみてとれることなどから、筋力トレーニングをたくさん行っているんだろうなと私は思っていました。

では水中という環境の中で行われる水泳競技。

陸上で行うトレーニング、特に筋力トレーニングは水泳にプラスの効果をもたらすことはできるのでしょうか?

 

①推進力を高めやすい

水泳は様々な動きが組み合わさった動作になります。

「水を掻く」という動作一つとっても、「水を押す」「水を引く」「後ろへ」「横へ」「下へ」という様に、複雑な動きが組み合わさっています。

そのため「推進力を高める」ためには、筋トレの様な1方向のトレーニングはしない方がいいように思いますが、一概には言えません。

まず「推進力」というものに必要なものを分けて考えてみると、

1.水を効率よく掻くテクニック

2.水を掻くスピード

3.水を掻く力

といったものが挙げられると思います。

1の技術練習は部活や普段の練習でたくさんやっていると思いますし、うまく泳ぐための練習の効果は水中が一番高いです。

野球場でバタフライの練習をしたら水中で速く泳げるようになった!というお話は聞いた事がありませんね。笑

ですので技術を高めるのは水中が合っています。

では2・3についてはどうでしょうか?

例えば水を掻くスピードを高めたいと思った時に、当然水には抵抗力があります。

ではその抵抗力に負けないようにスピードを高めるためには、水を掻く力が必要になります。

そうです、そもそもの「力」が無ければ、スピードも高まらないので、推進力は高まらないのです。

例えば、懸垂を自体重で5回しかできない人と、20Kgの重りをつけて5回できる人を比べた場合、水を掻く力が強いのは後者の方だとなんとなくイメージは沸くと思います。

そして筋力を伸ばすためにはバーベルなどを利用した筋力トレーニングが一番効率がいいです。

動作が1方向しかないことと重力を利用することで、水よりも大きな負荷をかけられるからですね。

ですので、まず筋力が弱い水泳選手は、推進力を高めるための伸びしろとして、筋力を伸ばすことが必要となります。

 

②体力を温存しやすくなる

筋力が高まると、今まで100の力で泳いでいた場面を90とか80の力で泳ぐことができるようになります。

100-90=10の体力を温存できるようになると言う事ですね。

そうすると、例えば最後のラストスパートでも今まで以上に頑張って泳げるようになります。

体力の中には心肺機能・筋持久力・回復力などいろいろな要素がありますが、このように力を高めることでも水泳の体力を向上・温存させることが出来ます。

 

③フォームを安定しやすくなる

・体力が高まるため、疲労した状態でも力を出しやすくなるので、余分な力を出さなくてもよくなり不必要な動きをしなくてよいため動作が安定するから

・バーベルを担いだり背中の筋力が高まると背骨が安定するため、軸が安定するから

・胴体部分を安定させる筋群(体幹筋群)が強くなるから

これらの要素によってフォームを安定させることが出来ます。

 

④ではどんなトレーニングをすればいいの?

・筋力を高めるためにちゃんと重量を扱える種目を選ぶ

・全身の筋力を高めるために、マシンよりフリーウェイトをメインに

といった点が、特にトレーニング初心者の方向けにはお勧めできます。

例としては、

〇スクワット

〇デッドリフト

〇懸垂

〇ベンチプレス

といったメニューから始めることをお勧めします。

また、筋力を高めるためにはなるべく重い重量を力強く動かす必要があるため、特に試合前には3~5RMのような重量でセットを組むことをお勧めします。

もちろん年間のプログラムを組むことが前提です。

 

⑤気を付けなければいけないこと

筋力トレーニングをこれから始めるという方は何点か注意点があります。

〇栄養を以前よりたくさん摂取する

ー筋力トレーニングの疲れを回復する分と、効果を最大限に引き出すために

〇ウォームアップとクールダウンを忘れずに

ートレーニングの効果を出すことと怪我を防ぐこと、次の日に疲労を残さないために

〇記録をつける

ー毎回、前回の記録を超える(重量や回数など)

 

まとめ

筋力トレーニングは、水泳選手にとって伸びしろになります。

もし水泳で、中々新記録がでない・高校の時の記録を抜けない・疲れると力が出なくなるなどの症状がある方は、筋力トレーニングを行うことで改善できる可能性は高まります。

一番大切なことは、効果が必ずでる!という自信をもってトレーニングに励むことです。

その自信を持てるように、まずはたくさん情報と知識を集めてトレーニングを開始してみてください。

 

参考文献

strength and conditioning for sprint swimming Chris Bishop, MSc,Jon Cree, MSc,Paul Read, MSc, CSCS,Shyam Chavda, MSc,MichaelEdwards, MSc,and Anthony Turner, MSc, CSCS*D